ノートPCをサーバにすることがよくない理由

そうですね

の回想録

「ノートパソコンをサーバにしたら性能はデスクトップ並だしUPSついてるし
静かだしいいよ」なんてお馬鹿なこと言いだす人が絶えません。
物には適材適所ってものがあるんですよ。

元記事を書くより前~2010年ごろまで、うちの職場ではいろんな部署で少し
古くなって個人のデスクで使われなくなったノートPCを部内サーバとして
勝手にファイルサーバやプリントサーバやアプリサーバにしていました。
それこそシステム部のようなのが無いのでやりたい放題。

一見うまく動いている、動かせているように見えるのだけど…
※だったらそれでいいじゃん的な自称SIerはどこにでもいる。

当然、電源入れっぱなし、メンテ無し、バックアップも無し。
まあ、半年~2年程度はメンテフリーでも割と動くと思います。

ただ、もともと古いWindowsXP ProかHomeのノートPC、
そんなこんなで年1~2台はある日突然壊れます。

遊びならともかく仕事で使ってる機械が壊れたらどうなるかくらい
誰でもわかります。

運用上の問題はおいとくとしても、ノートPCを24時間365日連続稼動の
サーバ代わりに使うのは無理があります。

  • ノートPCは24時間連続稼動を前提に設計されていない。
    説明書にも「本製品は24時間稼動を前提に設計されていません。」
    などとはっきり書かれているものが多いです。
    用途を逸脱した機器の使用は危険です。
    .
    そもそも物理的、電気的な設計に余裕がありません。
    機器の信頼性ってものがIAサーバとはまったく違う次元です。
    熱設計だけ見ても、ファンはついてても連続稼動でホコリまみれ。
    エアフローは細い隙間を通すのでホコリたまり放題。熱持ち放題。
    .
  • ノートPCに使用される部品も24時間連続稼動を前提に設計されていない。
    部品単体に注目しても連続稼動に耐える部品が使われていません。
    特にノートPCでよく使われる2.5型のHDDは連続使用が最初から
    想定されていません。休み休み使うように設計されています。
    連続で使用すると割と早く壊れるはずです。
    そんなの壊れたことないよ、って言う人。それ運が良いだけです。
    .
  • ノートPCの電池は連続充電対応ではない。
    リチウムイオン電池は大電流の充放電ができますが、満充電の状態で
    劣化します。UPSの鉛蓄電池とは特性や用途が異なります。
    なぜUPSではリチウムイオン電池を使用しないか考えてみてください。
    ノートPCのバッテリーはUPSの代わりではありません。
    最近はリチウムポリマー電池を使うものもあります。(後述)
    .
  • ノートPCはメンテできない。
    ファンレスノートならともかく、普通のノートはホコリがたまります。
    サーバにしてるコンピュータをいちいち止めてメンテするのは手間。
    電源の二重化もなければ、RAIDもまともに構成できない、ファンの
    交換もできない、どこか壊れたら終わり。
    IAサーバーが連続稼動できるのは稼動状態でメンテできるからに
    ほかならないのです。
    .
    ノートPCでも予備機をスタンバッておくとか、冗長構成にするとか、
    いろいろ手はあるでしょうが、その手のテクって、おあそびならともかく
    仕事に使うとか人に薦める類のものでは無いです。
    火災を引き起こして全く効果の無い「ネコよけペットボトル」のような
    ちょっと間違っちゃったライフハックって感じ。
    .
    いらんスクリプトを書いてノートPCでも超高信頼性サーバ組めるもんね
    と悦に入るくらいなら正当なサーバの高信頼性機能の使い方のひとつでも
    マスターしとくほうが実務へは繋げやすいかと。
    .

元の記事を書いた2008年ごろと比較して、次の点が変わってきました。
良くなったことも、悪くなったこともありますが・・・

  • ノートPCとデスクトップのアーキテクチャがそれほど変わらなくなってきた。
    光学ドライブはUSB接続になり、PCMCIAもだいぶ減りました。
    変なBIOSで苦しむことも減ったと思います。
    mSATAもExpressCardも形は違いますがデスクトップPCのPCIeやUSBと
    信号は同じなのでノートPCだからといって余計な苦労はいらなくなりました。
    ちょっとサーバ設定の練習や評価をするのならデスクトップPCとなんら変
    わりません。
    .
  • 仮想PCソフトが成熟してきた。
    今やサーバからクライアントまで無くてはならない技術です。
    一台高性能なマシンがあれば複数の独立した仮想サーバを稼動できます。
    私が居た職場では実稼動中のIAサーバ上で実働環境と評価環境を同時に
    実行させていろいろ試すことができるようになって、あまっているノートPCを
    わざわざ探す必要が無くなりました。
    .
  • 2.5型HDDがSSDに置き換わってきた。
    駆動系が無いので機械的な信頼性は向上しているとは思いますが、
    そもそもノートPCに最初から搭載されているSSDはサーバ向けでしょうか?
    サーバ用のSSDとクライアント用のSSDは物理的構造から異なります。
    .
  • バックライトの冷陰極管がLEDになった。
    インバータが無くなったので、以前よりバックライト切れは減った気がします。
    ただ液晶コントローラ故障は相変わらずです。
    .
  • NUCに代表される新しいデスクトップPCのプラットフォームが出てきた。
    これは朗報でしょう。
    部品はノートPCと同じで24時間駆動を前提に作られているのか不明ですが、
    少なくともボード単体では機器への組み込みも考慮されているようなので
    ノートPCより丈夫だと思います。家庭内サーバーなら全然良いかと。
    仕事用ならバックアップの設計やダウン時の回復手順が重要です。
    .
    インテルのNUCは金属筐体でファンの清掃とSSDの選定を間違えなければ
    サーバとして運用も比較的安全でしょう。
    リモートメンテも考慮されているあたり考えてもソレ向けの設計だと思います。
    ただ今のところはサーバ専用NUCなんて無いので、RAIDやホットスワップなど
    の高信頼性機能が必要ならやはり専用のIAサーバを選定する必要があります。
    .
    スティックPCは、、どうなんでしょうね。
    Androidのを試しましたがパフォーマンス的に微妙な感じ。
    また長時間だと結構熱を持ってきます。
    ストレージの取り外しもできず、トラブル時のデータサルベージはやりにくそう。
    .
  • タブレット型PCが台等してきた。
    これは超クセモノ。
    WindowsタブレットならノートPCと同じですし、オールインワン、なんちゃって
    UPS内蔵、普段使わないキーボードは付いていないし、ファンも付いてない。
    ノートPCはサーバに適してるなんていうお方にとっては、ある意味うってつけ
    なマシンでしょう。Androidでもサーバアプリが出てますしね。
    .
    ソフトウェア的にはIAサーバと同じなんでしょうけど、物理的にはノートより
    もっと条件が厳しくなっていますし、分解も不可。
    それ以上にヤバいのは電池がリチウムポリマーだっていうこと。
    ひとたびコレが火を噴いたら…
    出火に至らなくてもバッテリーが膨れて本体が割れるくらいは予想できるでしょう。
    .
  • オサレノート
    MacBook、Ultrabookのように電池が交換できないノートPCも出てきました。
    ファンも無くて薄くて本棚の中でもサーバになれそう。
    これもリチウムポリマーが使われているものがあります。
    2008年当時と比較してリチウムポリマー電池がかなり普及しました。
    .

リチウムポリマーの危険性の詳細は他に譲るとして、安全に制御されているはずの
機器内蔵のリポバッテリーがパンパンに膨れたなんて枚挙にいとまがありません。

私のなつかしいRioのミュージックプレーヤーも膨らんで壊れてしまいました。
あの膨れたレトルトパウチに穴が開けば可燃性のガスが噴き出します。
電解液は揮発性の有機溶剤。ひとたび電池に引火したら水では消火なんて無理。
特に古くて劣化したセルは純正の充電アダプタでも膨らんできたりします。

※制御回路って電圧電流と温度くらいは見てても電池のふくらみは監視して
くれないんですよね。

スマホの爆発事象も多くは充電中に発生しています。
特にリポバッテリー内蔵のタブレットやノートPCを24時間無人運用しよう など
とは思わないことです。電池外しても前述の他の理由でおすすめはしませんが。

以前と変わらずノートPCとIAサーバも両方売られているのは
用途に応じて適切に使い分けできるように選択肢が用意されているのです。
ノートPCだけで済むのならIAサーバなんてとっくに無くなってます。

機器はメンテのしやすさやメンテに割ける人手、あるいは故障したときの
リスクやダウンタイムを考慮して選定すべきであって、
あまってるノートPCがあればサーバ運営できるとは思わないほうが賢明です。
特に仕事用に使う場合で、あまり手間をかけたくない場合は。

壊れて止まっても、データがロストしても困らない、トラブル時の手間もいとわない、
そして 火災になっても平気ならばノートPCでもタブレットPCでも全然オッケー。

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