ホワイトハウスで最初のデモ・デー開催―シリコンバレーとオバマ大統領、マイノリティの雇用促進で協力

良いのです。

TechCrunch Japan

「全ての人間は平等に造られている」と述べたアメリカ独立宣言にと共にアメリカン・ドリームというコンセプトが生まれた。

アメリカン・ドリームはベンジャミン・フランクリンの自伝に受け継がれ、ハックルベリー・フィンと共にミシシッピ川を遡り、マンハッタンのギャッツビーの黄色のスポーツカーに象徴され、『セールスマンの死』でその幻滅が表現された。

しかし、「すべての人間は平等に造られている」はずなのにアメリカが奴隷制を維持し、婦人参政権を認めない時代が長く続いた。そして現在でさえ、もっとも重要な産業の一つであるテクノロジー分野でマイノリティーと女性の進出がかくも遅れているのはどうしたことだろう? アメリカン・ドリームというのは機会が誰にも平等に開かれているわけではないことを隠すための煙幕に過ぎなかったのだろうか?

今日(米国時間8/4)、アメリカの最初のアフリカ系リーダーであるバラク・オバマ大統領はホワイトハウスで最初のテクノロジー・デモ・デーを開催し、大勢のスタートアップのファウンダーから親しく創業のストーリーを聞いた。.

このデモ・デーには30チーム90人の起業家が参加した。しかしホワイトハウス・デモ・デーはスタートアップのファウンダーたちがステージに上がって投資家やプレスのメンバーに対してプレゼンをするというシリコンバレーで一般的なスタイルとは違っていた。起業家たちはホワイトハウスの西棟の広間に集められ、そこでホワイトハウスのCTO(最高技術責任者)、ミーガン・スミスFUBUの共同ファウンダー、CEOのデイモンド・ジョンの2人に5分ずつインタビューされた。またこの模様はライブでストリーミング中継された。

このフォーマットはわれわれにはいささか奇妙に感じられた。

Screenshot via Whitehouse.gov

Bounce Imaging のFrancisco AguilarとCarolina Aguilarがスミスとジョンに「投げて撮影するカメラ」をプレゼンしている。画像提供: Whitehouse.gov

全員のプレゼンが終わると、オバマ大統領はデモ・エリアを視察し、Duolingo、Base Directory、Partpicのファウンダーたちと会話した。

デモ・デーを紹介する今朝の記者会見でスミスが述べたところによると、アメリカでベンチャーキャピタルが出資するスタートアップのうち女性が最高幹部に加わっているのは3%、アフリカ系アメリカ人が参加しているのはわずか1%だという。またアメリカのベンチャーキャピタリストのうち、女性は4%しかない。

ホワイトハウス・デモ・デーの目的は女性やマイノリティーのテクノロジー分野への参入を促すところにあった。

スミスによれば、今回選定されたスタートアップはすべて何らかの意味で多様性を促進する要素を含んでいるという。

またデモ・デーでオバマ大統領は連邦小企業庁の「スモール・ビジネス賞」の 受賞者116社を発表した。2015年にはこの賞のために400万ドルの予算が割り当てられており、受賞者は通例5万ドルの賞金を受け取る。

またオバマ政権はAndreessen Horowitz、Intel Capital、Kleiner Perkins Caufield Byers、Scale Venture Partnersなど40社のベンチャーキャピタル(投資総額は1000億ドルを超える)と協力してマイノリティ・グループの雇用を促進していくイニシアティブを発表した。

このイニシアティブは、特定の達成目標や義務を設定することはせず、いわゆるルーニー・ルールを採用することとしている。これはNFL会長のダン・ルーニーによって提唱された「監督を採用する際には必ず1人以上のマイノリティの候補者を加えねばならない」という規則だ。ルーニー・ルールは2003年からNFLに導入され、それ以前にはリーグ全体で7人しかいなかったマイノリティの監督が現在では12.5%を占めるまでに増加した。

硬直的で弊害も多い人種別人数割り当て制度を取らなくてもルーニー・ルールはNFLの多様性を向上させるのに効果を上げている。テクノロジー分野でも同様の成功が期待されるところだ。

シリコンバレーとアメリカ政府は、常に親密な関係であったわけではない。2013年11月にはFDA(連邦食品医薬品局)が DNA分析のスタートアップ、23andMeに対して家庭でDNAサンプルを採取するキットの販売を禁止した。しかし1年後、FDAは大きく態度を変え、23andMeに対しブルーム症候群という遺伝子異常による難病の診断のために遺伝子検査キットの販売を許可した。また今年の3月には政府はシリコンバレーの企業トップがアメリカ政府の定める機密取り扱い資格を取得する率が低すぎるとして不満を表明した。サイバーセキュリティーなど国家の安全保障に重大な影響のある事項について、この機密取り扱い資格を取得しているトップとは政府は自由に情報交換ができる。また先月にはイギリスのデビッド・キャメロン首相が「テクノロジー業界はテロリストとの戦いにもっと協力すべきだ」と述べた。そうした背景を考えると、アメリカ政府とシリコンバレーの企業や有力ベンチャーキャピタルが、多様性の促進に関してこれほど密接に協力するようになったのは驚きだ。

未曾有の盛況に湧くテクノロジー産業が人種や性別の平等性を確保できないとしたら、われわれはアメリカ文学に描写された差別的で利己的な1920年代の風土からさして進歩していないことになる。シリコンバレーと政府が本当に真剣に協力して取り組めばあるいはアメリカン・ドリームを夢のままで終わらせないことができるかもしれない。

取材協力:Nitish Kulkarni

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@FacebookGoogle+

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